クーリングオフ以外にも法律上、様々な解約・救済方法が存在します。クーリングオフ期間経過後などのようにクーリングオフできない場合には、これらの方法を利用します。
検討順序は、
という順序になります。
中途解約とは、特定商取引法等で定められている制度で、クーリングオフ期間経過後であっても解約できます。
中途解約が認められている例としては、特定継続的役務提供契約と言われるものがあり、具体的には、エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス及びこれらの関連商品です。
クーリングオフと中途解約との違いは、前者が無条件で解約できるのに対して、後者は法定の金額(損害賠償額)を支払わなければならない点にあります。
サービス開始前 | サービス開始後 | |
---|---|---|
エステティックサロン | 2万円 | 2万円 または、契約金残額の10%の額のいずれか低い額+提供されたサービスの額 |
語学教室 | 1万5千円 | 5万円 または、契約金残額の20%の額のいずれか低い額+提供されたサービスの額 |
家庭教師 | 2万円 | 5万円 または、1か月分のサービスの額のいずれか低い額+提供されたサービスの額 |
学習塾 | 1万1千円 | 2万円 または、1か月分のサービスの額のいずれか低い額+提供されたサービスの額 |
パソコン教室 | 1万5千円 | 5万円 または、契約金残額の20%の額のいずれか低い額+提供されたサービスの額 |
結婚情報サービス | 3万円 | 2万円 または、契約金残額の20%の額のいずれか低い額+提供されたサービスの額 |
中途解約は、クーリングオフの場合と異なり、必ずしも書面でする必要はありません。
ただ、口頭で解約の意思表示を行った場合には証拠が残りにくいので、業者に「そんな話は聞いていない」等と言われてもめる危険があります。
そこで、クーリングオフの場合と同様に、内容証明郵便で行うのが最も得策といえます。
重要事項について事実と異なる説明をされたことにより誤認して契約したときは、契約の取消ができます。
(消費者契約法第4条1項1号)
「この商品は将来値上がり確実」などと断定的な判断を提供されたことにより誤認して契約したときは、契約の取消ができます。
(消費者契約法第4条1項2号)
重要事項について消費者にとって利益となることを告げられ、かつ、不利益となる事実を告げられなかったことにより誤認して契約したときは、契約の取消ができます。
(消費者契約法第4条2項本文)
消費者が事業者に、消費者の住居等から「帰ってくれ」と告げたのに帰らなかったことにより困惑して契約したときは、契約の取消ができます。
(消費者契約法第4条3項1号)
消費者が事業者に、勧誘されている場所から「帰りたい」と告げたのに帰らせてくれなかったことにより困惑して契約したときは、契約の取消ができます。
(消費者契約法第4条3項2号)
法定代理人(例:親)の同意を得ないでした未成年者の契約は取り消しえます。
(民法第5条2項)
ただし、未成年者が婚姻をしたときは、成年に達したものとみなされる(民法第753条)ことから、この場合は未成年者取消はできません。
後に離婚したとしても、なお成年者として扱われるので、この場合も同様です。
だまされたことにより誤解して契約したときは、契約の取消ができます。
(民法第96条1項)
脅されたことにより怖くなって契約したときは、契約の取消ができます。
(民法第96条1項)
消費者契約法・民法の取消権の取消可能な期間はこちら
公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」の略で、契約の客観的有効要件の1つである「社会的妥当性」を意味します。
つまり、契約を有効とすることが社会的に見て妥当性を欠くときは、契約が無効となる場合があります。
(民法第90条)
心裡留保とは、真意と異なることを知りながらする意思表示のことです。
例えば、Aが本当は買う気がなく且つそのことを自覚しながら、Bに対して「この商品を買う」と言った場合、心裡留保に該当し原則としてAの意思表示は有効となります。
(民法第93条本文)
この場合、Bが「売る」と言えば、Aの申込みとBの承諾が合致し契約は有効に成立します。
ただし、BがAの真意を知り、又は知ることができた場合は、Aの意思表示は無効となります。
(民法第93条但書)
この場合、Aの意思表示(申込み)が無効となるので、Bの意思表示(承諾)も無意味となり、契約は成立しないことになります。
錯誤とは、内心的効果意思と表示的効果意思との不一致を言います。(大判大3・12・15)
上記の心裡留保と異なるのは、本人がその不一致に気づいていない点にあり、平たく言ってしまえば「勘違い」というような意味です。
契約内容の重要な部分に錯誤があり、その錯誤がなければ契約をしなかったという場合には、契約の無効を主張できます。
(民法第95条本文)
ただし、重大な過失があった場合(少し注意すれば勘違いをしなかったような場合)には契約の無効を主張できません。
(民法第95条但書)
この場合でも、相手方が悪意(表意者が錯誤に陥っていることを知っている)のときは、表意者に重過失があっても錯誤無効を主張しえます。
(判例・通説)
契約当事者間で合意が成立した場合には契約の解除ができます。
債務不履行とは、相手方が契約を守らないことをいい、この場合にはいくつかの要件を満たせば契約の解除ができます。
(民法第541~543条)
債務不履行とは、相手方が契約を守らないことをいい、この場合にはいくつかの要件を満たせば損害賠償の請求ができます。
(民法第415条)
不法行為があった場合には、いくつかの要件を満たせば損害賠償の請求ができます。
(民法第709条)
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